美しいものだけが愛おしいのじゃない

以前、人間も動物で歳をとって帰巣本能が強くなった、そんなことを書いたと思うけど。ぼくの故郷は以前は治安が悪く、東京のスラムのような地域だったのだけど、今は住みやすい街の隠れ1位なんだとか・・・治安が良くなり、街が美しくなったことに意義を唱える気なんてさらさらないけれど、通っていた小学校や中学校は廃校になり、路地裏で遊んでいた子供たちの姿も消えて、隣近所との交流も希薄になってしまいました。人間の生命力を感じられない美しい街に呆然としてしまうのです。おまえは何が言いたいのだと問われたら困ってしまうのだけど・・・人間って絶えず矛盾を胸に抱えて生きていますよね。そうぼくも美しいものだけを愛せない強欲な人間なんです。