何を探して?

つい先日、ぼくは自分の本籍地を尋ねました。そこは新婚当時両親が最初に住んだ場所です。父は、かぐや姫赤ちょうちんという歌が好きだと言っていました。まさに貨物列車が通ると揺れた二人に似合いの部屋でしたという歌詞どうりの場所でした。そしてぼくが生まれ育った家のあった場所にも行ってみました。昔は平屋のボロ屋でしたが、二階家になっていました。表札もなく、玄関の曇りガラス越しに郵便物が溜まっているのが見えました。空き家になっているようでした。母が買い物をしていた商店街も東町商店街通りという名前だけ残っていて、商店は全部なくなっていました。それは行く前から分かっていたことでした。お釈迦様や日蓮聖人は自分の死期を悟ると故郷に帰ろうとしましたが、旅の途中で召されたそうです。偉大な人たちと自分を比較したら叱られそうだけど・・・何が言いたいのかというと何もかも変わってしまって、思いでの場所は心の中にだけあるのです。でも、そこがぼくの故郷なのです。