何を探して?
つい先日、ぼくは自分の本籍地を尋ねました。そこは新婚当時両親が最初に住んだ場所です。父は、かぐや姫の赤ちょうちんという歌が好きだと言っていました。まさに貨物列車が通ると揺れた二人に似合いの部屋でしたという歌詞どうりの場所でした。そしてぼくが生まれ育った家のあった場所にも行ってみました。昔は平屋のボロ屋でしたが、二階家になっていました。表札もなく、玄関の曇りガラス越しに郵便物が溜まっているのが見えました。空き家になっているようでした。母が買い物をしていた商店街も東町商店街通りという名前だけ残っていて、商店は全部なくなっていました。それは行く前から分かっていたことでした。お釈迦様や日蓮聖人は自分の死期を悟ると故郷に帰ろうとしましたが、旅の途中で召されたそうです。偉大な人たちと自分を比較したら叱られそうだけど・・・何が言いたいのかというと何もかも変わってしまって、思いでの場所は心の中にだけあるのです。でも、そこがぼくの故郷なのです。
嫌われ者?
人間を一番殺している生き物のナンバーワンは蚊だそうです。二位は毒蛇だそうです。日本人って、儚いものに美を感じる民族だけれど・・・美しく死ぬだとか、往生際が悪いなどと死さえ美を求める傾向があるよね。桜の散っていく姿に美を感じるのは分かるけど、醜く生きて無様に死んでいく、そんな人生にだって価値はあるはずです。人間からは嫌われてるドブネズミやゴキブリや蚊などの生命力はすごいと思います。誤解しないでほしいのだけれど、ぼくはこれらの生き物が好きなわけではありません。人間は弱いものだけれど・・・だけど世間の目などに振り回されないで逞しく生きていくべきだと思うのです。神様から与えられた命が尽きるまでは生きるべきです。たとえ無様でも。
夢の後先
最近、亡くなった父と母の夢をよく見るようになりました。夢の中とはいえ、父と母に会えるのは嬉しいことです。夢の中では窮地に陥っている私を助けてくれるありがたい存在です。目が覚めて、これは何かの暗示だろうかと考えるのですが・・・日々の生活に追われて、ふたりの面影が霞んでいってしまいます。それでいいと思っています。やはり私は前を向いて生きていかなければならないのですから。思い出は心の奥に大切にしまって、今日を生きていかなければなりません。時間は巻き戻せないのですから、振り向いてみても、そこには空虚な荒野しかないと思います。少し頑張って花の咲いている丘に一歩、歩みを進めたいと決心しました。